1.廃プラスチックの増加の歴史の背景
- 1950年代以降のプラスチック生産量の急増:
- プラスチックは第二次世界大戦後の産業発展に伴い、1950年から年代的に本格的に大量生産されるようになりました。
- 世界のプラスチック生産量は、1950年には200万トン程度でしたが、2020年には約367億トンに増加しました。
- この間、使い捨てプラスチック製品(包装材、ペットボトルなど)が普及し、廃プラスチックの量も比例して増加しました。
2.日本における廃プラスチックの動向
- 国内の廃プラスチック量:
- 1990年代以降、日本の廃プラスチック発生量は増加し続けました。2010年代には年間約900万トン以上のプラスチック廃プラスチックが発生していました。
- プラスチック製容器包装リサイクル法(2000年施行)によって、一部のプラスチック回収が認定されましたが、分別やリサイクル率の向上には限界がありました。
- リサイクル率:
- 日本は一見高いリサイクル率(約80%)を誇っていますが、内訳見て実際に再製品化されるマテリアルリサイクルは約20~25%に滞り、残りは主に燃焼による熱回収に依存しあります。
3.廃プラスチック輸出とその影響
- 輸出に依存した処理:
- 日本を含む先進国は、長年廃プラスチックの処理の一部を東南アジア諸国や中国に依存してきました。
- 2016年まで、中国は世界の廃プラスチックの約50%を輸入していました。
- 中国の輸入禁止措置(2018年):
- 「国家剣(National Sword Policy)」を実施し、汚染された廃プラスチックの輸入を中国で禁止しました。
- この政策により、日本は輸出に依存していた約150万トンの廃プラスチックを国内で処理する必要に迫られ、処理能力の不足が顕在化しました。
4.廃プラスチック処理の問題
- 国内処理能力の限界:
- 廃プラスチックの急増により、焼却施設や埋立販売場のキャパシティが逼迫しています。
- 焼却処理では二酸化炭素排出が増加するため、埋立処分は最終処分場の不足が深刻化しています(日本では残りの処分場の平均寿命は20年以下とされる)。
- コスト増加:
- 国内への処理の移行に伴い、企業や自治体の廃棄物処理コストが上昇しました。
5.過去の対策と成果
- 法整備:
- 2000年:容器包装リサイクル法施行。自治体の分別回収が義務化された。
- 2019年:プラスチック資源循環戦略が策定され、2030年までに使い捨てプラスチックを25%削減する目標が策定されました。
- 技術開発:
- 1990年代後半から、化学リサイクル(プラスチックを分解して原料に戻す技術)や燃料化技術が進歩しました。
- 今年では、バイオプラスチックや生分解性プラスチックが注目されています。
- 国際協力:
- 日本は国際連合環境計画(UNEP)やG20など子育て、海洋プラスチック問題への対応を推進しています。
6.未解決の課題
- リサイクルの質の向上:
- 汚れや異素材が増える廃プラスチックのリサイクル効率は依然低い。
- 新しい処理施設の建設:
- 環境への影響を極力抑えつつ、処理能力を発揮する必要があります。
- 消費者行動の改革:
- 根本的にプラスチック消費を減らす「リデュース」の取り組みが進んでいません。