高山のコラム

コラム

工場廃棄物食品廃棄物を原料としたバイオプラスチックとリサイクル技術の組み合わせについて調べてみた

1. 食品廃棄物を原料に利用するバイオプラスチックの製造

食品廃棄物には糖類や脂肪酸が含まれ、それをバイオプラスチック原料に転換する技術が発展しています。

(1) 主な原料

  • 廃糖蜜(製糖過程の副産物)
    廃糖蜜を発酵させて乳酸を生成し、PLA(ポリ乳酸)の原料に使用します。
  • 食品加工廃棄物(野菜や果物の皮など)
    これらを酵素で分解し、糖分を取り出してPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)の製造に利用されます。
  • 廃油や脂肪酸
    廃食用油を改質してバイオプラスチックの材料(例:ポリエステル類)として使用。

(2) 製造プロセス

  • 発酵プロセス: 微生物を利用して、廃糖や廃脂肪酸をモノマー(乳酸、3-ヒドロキシブチレートなど)に変換。
  • 重ねプロセス:モノマーを重ねし、熱可塑性樹脂としての性質を持つバイオプラスチックを生成。

2. 工場廃棄物を原料に利用する技術

工場から排出された有機廃棄物や副産物をバイオプラスチックに活用される動きも注目です。

(1) 主な原料

  • バガス(サトウキビ搾りかす)
    セルロースやヘミセルロースを抽出して強化繊維やバイオ樹脂に加工。
  • 紙パルプ廃液
    リグニンやヘミセルロースを分解して、化学的に利用可能なバイオポリマーに変換。
  • ビール製造副産物(麦芽かす)
    発酵や化学変換によりバイオプラスチック用モノマーを生成。

(2) 製造プロセス

  • 酵素分解:リグニンやセルロースを分解して、発酵に適した糖類を得る。
  • 熱分解・触媒変換: バイオオイルや原料化合物を得るための化学プロセス。

3. リサイクル技術の組み合わせ

廃棄物由来のバイオプラスチックのリサイクルは、独自の課題と可能性を持ちます。

(1) 化学リサイクル

  • バイオプラスチックをモノマーまで分解し、純粋な原料として再利用する技術。
    • : PLAを乳酸に戻し、またPLAに重ねていくプロセス。
    • メリット:高純度の材料が得られ、繰り返し使用可能。

(2)生分解と堆肥化

  • 生分解性バイオプラスチックは、廃棄後に堆肥化プロセスに廃棄されることで有機肥料として再利用されます。
    • 課題: 特定条件下での分解が必要な場合が多く、堆肥化施設が必要。

(3)機械的リサイクル

  • 廃プラスチックを破砕・再成形して製品化。
    • 課題: 劣化の進行により、繰り返しリサイクルに限界があります。

4. 成功事例

(1) NatureWorks社(アメリカ)

  • トウモロコシの副産物からPLAを生産。
  • PLAのリサイクルシステムを開発し、回収したPLAを乳酸に戻して再利用します。

(2) PTT Global Chemical(タイ)

  • 廃糖蜜や廃棄物由来のPHAを生産。
  • 生分解性バイオプラスチックのコンポスト処理で、農業肥料として活用。

(3) 国内酒造産業からの廃棄物利用

  • 日本酒の製造過程で発生する「酒粕」を利用し、PHAを生産するプロジェクトが進行中。

5. 技術のメリットと課題

いいね

  1. 廃棄物削減: 食品や工場廃棄物を再利用することで、廃棄物量の削減が可能です。
  2. 炭素排出物由来の原料は、二酸化炭素排出量の削減にニュートラル。
  3. 付加価値の向上: 廃棄物を高価値なバイオプラスチックに変換できる。

課題

  1. 安定供給の確保:廃棄物の量や質が季節や地域によって変動する。
  2. 収集と分別の効率化:廃棄物を原料として利用するためには、効率的な回収システムが必要です。
  3. コスト競争力:石油由来プラスチックと比較して製造コストが高い場合が多い。

6. 今後の展望

  • 自治体や企業の連携
    食品廃棄物や工場廃棄物の安定供給を実現するために、廃棄物発生源とバイオプラスチック製造者の協力が必要です。
  • 新しい技術
    廃棄物を直接バイオプラスチックに変換する効率的な触媒技術やプロセス開発が進行中。
  • 地域特化型モデル
    地域で発生する災害物を活用して、地元で生産・消費する「ローカルクローズドループモデル」の構築。

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